2月17日に青山ダイヤモンドホールで開催された月刊CIO Magazine / CIO Online主催の「CIO特別フォーラム2012 February ビッグデータ時代のビジネス変革とテクノロジー」で講演しました弊社テクニカル・リーダーシップ 取締役 執行役員 宇田茂雄のプレゼンテーション・ビデオをYouTubeにて公開しました。
ビッグデータを企業が経営にどのように活用していけるのか、その概要をIBMのプラットフォーム・ビジョン、活用事例を交え紹介しています。
経営にビッグデータを
http://www.ibm.com/innovation/jp/smarterplanet/adv/2012nybigdata.html
半乾燥地域のイスラエルでは、飲料水など水量の大半をガリラヤ湖の水に依存していました。1964年、National Water Carrier of Israelと呼ばれる国家事業により全国的な水供給統制が実施され、イスラエル中部および南部に十分な水を供給することが可能になる、という画期的な出来事がありました。これにより多くの灌漑プロジェクトの実行が可能となり、イスラエルの一部を菜園の楽園へと転換し、マンゴーなど新鮮な果物や野菜がイスラエルの家庭の台所に現れるようになりました。水に対する意識が高いイスラエルにあるIBMハイファ研究所では、水とお金を節約しながら消費者の水需要に対応する水道を実現するための研究を行っており、水圧をモニター・管理する新しいシステムをデザインしています。
IBMは、米国カリフォルニア州北部の60万を超えるお客様に対して水を供給するソノマ郡水道局向けにシステムを開発しました。最初のパイロットは、ソノマ郡の約2万人に水を供給するValley Of The Moon Water District (VOMWD)と共に行いました。このパイロットを通じ、柔軟に水圧を管理できれば、多くの人が恩恵を享受できる、ということがわかりました。
数年にわたり、IBMは、ソノマ郡水道局の消費者のニーズと自然環境をバランスさせ、効率を向上させる試みを支援しています。当水道局とIBMの最新の取り組みは、水漏れを悪化させたり設備を劣化させることなく、水圧をちょうどいいレベルに保つにはどうしたらいいか、といった水管理上の難問に取り組む、というものです。水道事業者は、システムを総合的に、そしてより正確に管理しなくてはならず、つまり水システムを複合な実体ととらえ、最も効率的で効果的な結果を生み出すためにシステムを最適化する方法を考え出さなくてはなりません。
過去、ソノマ郡では、顧客からの苦情が出ないよう、水道システム全体にわたり水圧を高く保っていました。しかしながら、この状況は設備に大きな負荷をかけることになりました。また、VOMWDのシステム運用スタッフは、手作業で継続的に各バルブの水圧を調整し、システム全体の最適な水圧を維持していました。これは、時間もかかり、非効率的なプロセスでした。
IBMハイファ研究所の研究員たちは、データ分析を用いこの問題に取り組みました。水道局の既存の水圧計と流量計のデータをシステム上にマッピングし、特定地域で水圧を上下させると何が起きるかをシミュレーションする際に用いる流量シミュレーションと統合した統計モデルを作成しました。これにより、技術者は、システム全体の状況に基づいて各バルブの最適な設定を行うための詳細情報が提供され、必要に応じて各バルブの最適設定を迅速に、そして容易に行うことができるようになりました。
現在、IBMの研究員は、水道局が迅速に、そして手ごろな価格で修繕できるよう、また水道管やその他の設備の水漏れ箇所をより容易に特定できるよう、改良を加えています。
光の力を使って、高画質の映画500本分に相当する情報量を1秒間に伝送することができる光チップセットの試作品を、IBMの研究員が開発しました。開発に携わったIBMの研究員たちは、この光チップセットのことをHoley Optochip(ホーリー・オプトチップ、直訳すると、穴のたくさんある光チップ)と呼んでいます。この研究成果は、今月米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されたOptical Fiber Communication Conferenceで発表されました。
この試作チップセットは、並列光トランシーバーとして機能し、1秒間に1兆ビットの情報を伝送することができます。つまり、既存の最高速の並列光部品の約8倍のスピードで情報を伝送することができるわけです。
1個のトランシーバーの伝送速度は、今日使われている典型的な10Mb/s高速インターネットアクセスを10万人のユーザーが同時に使用する際の通信速度に相当します。またこれは、たとえば、このトランシーバーを経由して米国議会図書館の全ウェブ・アーカイブ情報を1時間程度で転送するのに相当します。このトランシーバーの消費電力は5ワット以下で、100Wの電球一個が消費する電力で20個のトランシーバーを動作させることができます。
1981年にノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマン博士が、量子力学に基づいたコンピューターをつくる、という課題を科学界に提示して以来、量子コンピューターは、科学者にとって至高の目標となっています。何十年もの間、科学的探究は理論の域にとどまっていました。でも近年、量子コンピューターによる計算を技術的のものにするという課題に挑戦しようという機運が生まれています。
IBMの研究員は、このたび、量子コンピューターの実用化を加速する量子計算デバイス性能向上について研究成果をあげ、その成果を最近開催された米国物理学会で発表しました。今回の研究成果のポイントは、性能向上の記録を3つ立てたことよりも、小さな量子デバイスを集積して、既存の演算システムよりもずっと速く、ある特定の数値計算を行うことができるより大きなデバイスの実現を示唆した、ということです。
今回IBMの研究員たちが達成した研究成果は、例えば、量子コンピューターの性能を活用したデータの暗号化をはじめとした、様々な新たなコンピューティングの可能性を示しています。
微小なアンペルマンを作成
IBMチューリッヒ研究所の研究員とETH Zurich(チューリッヒ工科大学)の科学者が、金のナノロッドを使って、ベルリンの歩行者用信号のマーク、Ampelmann(アンペルマン)の微小なイメージを作成し、共同研究成果を実証しました。この成果は、材料科学分野の学術誌、Advanced Functional Materials誌に紹介されています。
50μmx60μmサイズの「とまれ」のサイン(図a)を示すアンペルマンを作成するために、金のナノロッドを正確に配置することを可能にする新しいナノ・パターニング・プロセスを使っています。以下の画像をつかさどっている1つ1つのピクセルが、ナノロッドになります。
図bは、ポラライザーを通して記録された暗視野光学顕微鏡から見た「すすめ」を示すアンペルマンのイメージです。ポラライザーを90度回転させると、ピクセルの色が緑から赤に変化します。画像内にあるスケール・バーの長さは、10μmです。
ナノ・パターニング技術は、絵画、宝石、時計といった高価な品物の偽造防止のためのアプリケーションへの応用が期待されています。









